お盆
平成24年8月15日
日本人は古来から、年二回御先祖様が帰ってくると信じられてきました。
一つはお正月。
もう一つはそう、お盆。
お盆は迎え火を焚き御先祖様をお迎えし自宅へお連れし、お食事を用意しておもてなしをします。そして、家族親族が一堂に会し、御先祖様を偲び、命の尊さやご縁を感じ生かされている事に感謝する行事です。 しかし、休みもバラバラになってきた今日、なかなか家族親族が一堂に会するということは難しい世の中になってきましたよね。だからといって、何もしないというのは、なんだか寂しい気がします。日本人の美しさが失われて行くような気にもなります。御先祖様をお迎えしておもてなしをする。謙虚の心を忘れず、相手の立場・気 持ちになって考える、この「おもてなし」という心が私たち日本人の美しさの原点ではないかと思うのです。だから、家族親族が一堂に会することが出来なくても、せめて心をこめてお墓参りだけはし て頂きたいと思います。
とここで、時たま質問を受けることがあるのですが…、
お盆で御先祖様をお迎えした後って、お墓は空っぽなのですか?
空っぽならお墓参りする必要はないのですか?
というものです。
確かに単純に考えると自宅へお連れするのだから、お墓は空っぽなのではないかとお考えになるかもしれません。しかし仏さま・魂は私たち人間のように一つの場所にしかいられないとい うわけではないのです。仏さま・魂は自由自在で一つではありませ んから、お盆で自宅へお迎えしているのは仏さまの一部分です。ですから、お墓が空っぽになるということはありません。お迎えした後も里帰りでお子様やお孫様が帰ってきたときはお墓参りをして頂きたいと思います。
祐 海 合 掌