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真言宗豊山派 徳星寺
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心の豊かさ

平成21年1月1日

私の娘はちょっぴり運動が苦手だが、幼稚園のスイミングスクー ルに通っている。この間スイミングスクールがあった日、幼稚園バスから降りてきた娘の目には、少し涙が浮かんでいた「どうしたの?」と私が聞くと、どうやらスイミングスクールで進級試験があったらしく「お友達はどんどん上のクラスに行って、帽子の色も変わっちゃうし、祐那一人になっちゃうよ」と言っていた。

私は、仏様だったらこの子になんて声を掛けるのだろうと考え、「ラッキーじゃん!!」と言った。娘は目をまん丸にして「どうして?」と聞いてきた。私は「それはね、お友達が沢山いるとなかなか順番が回ってこなくて泳げないけれど、お友達が少ないとどんどん泳げるから良かったじゃない!一番大切なことは、早く上のクラ スに行くことじゃなくて、長く続けて頑張った子が凄いんだよ」と声を掛けた。娘は、「そっか!頑張る!」と言って、また笑顔になり、前向きな気持ちになってくれた。

人の悩みは年を重ねるごとに深くなっていくものだが、『進級したい』『帽子の色が違う』時には『お友達に酷いこと言われた』と泣き、心を傷めている六歳の娘も『昇進したい』『人に傷つくこと言われた』『勝ち組か負け組か』などと悩んで翻弄されている大人の私たちもなんら変わりないではないか。体だけは成長し、心は変わらず、もしくは子供の純粋さがなくなった分、恨みやすくなり、妬みやすくなっている私たち。いつまでこの悩みのスパイラルを続けているのかなと思うと、逆に悩みなんて滑稽で仕方ないと笑えてしまうのは私だけだろうか。

仏様の教えは中道、つまり「こだわるな」ということである。一つのものにとらわれ、こだわり、迷うから苦しいのだ。だから、きちんと悩みと向き合い、そして前向きに考え、肯定的に考えると笑顔になり、心が救われる。

どうか悩まれた時、心が傷んだ時は、仏様ならどう考えられるか考えてみて下さい。仏様はいつでも手をさしのべてくれています。それに気づくかどうかは私たち次第。悩みに留まり続けているのではなく、階段を上るように一歩一歩解決して、心豊かになりたいと思う。

 

祐 海 合 掌

 

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